チワワ 14歳
咳をした後に失神したため受診。 既往歴として、僧帽弁閉鎖不全症stageCあり。
内服による心治療を強化したが改善がみられないため、神経調節性失神の1つである状況失神と判断。 気管支拡張剤とマロピタントを処方。
失神症状の大幅な改善が認められた。
神経調節性失神とは、身体の調子を整える役割の自律神経の働きが乱れることによって、急激な血圧の低下や徐脈が発生し、失神を起こすことを指します。その中の1つとして状況失神は特定の動作(咳や排泄時のいきみ、嘔吐など)によって誘発される失神を指します。心疾患を伴う犬は、この失神になりやすいとされています。 近年、学会にて制吐剤や鎮咳薬として用いられるマロピタントが神経調節性失神に対して有効である可能性が示唆されており、本症例でも有効性を確認することができました。