チワワ 5才
下痢と元気消失がみられたため受診。 超音波検査から空腸に腫瘤病変、腸間膜リンパ節の腫大を認める。
超音波検査下で針生検を実施したが診断がつかなかったため、空腸腫瘤の外科切除、腸間膜リンパ節の切除生検を実施。
病理検査から高グレードリンパ腫と診断。 ステロイドと抗がん剤による治療を開始。
リンパ腫は、リンパ節やその他の臓器においてリンパ系細胞ががん化してしまう病気で、犬や猫がなるがんでは非常に多いことが知られています。発生部位が限定されないことや細胞の形態的特徴から診断が困難である場合があります。なかでも、今回のような消化器に発生するリンパ腫では、下痢や嘔吐、食欲不振の症状のみがみられ、体表のリンパ節の腫れなどの特徴的な症状がみられないケースもあります。その場合は組織生検や遺伝子検査を実施し診断することが、しばしばあります。